ダイエットや健康法の一つとして、
普段の食事から糖分の 多い食品を抜く「糖質制限」の方法か広まっています。
現代の食生活は、押し並べて多食・過食で、糖質を摂り過ぎる傾向にありますから、 それを止めることはある程度正しいのですが、
良い糖質もあるので、 気をつけねばなりませ ん。
問題なのは
①単純炭水化物(ショ糖等)であり
②複合炭水化物の摂取はむしろ好ましいのです。
それ故、 ごはんなどの主食を抜きにする「糖質制限ダィエット」のように、
身体に無理な負担をかける方法は禁物です。
パンやパスタ、ラ?メンなどの小麦製品は、 食べると高血糖状態を招いてしまう
「高GI食」のため、 主食としてはおすすめできませんが炭水化物食の中でも比較的
「、低GI食」のごはん(白米+雑穀+海藻+ごぼうのささがき十梅干し)
なら必要だと言えます。
また、 果糖が含まれているという観点から「、生のフルーツを食べない」という
のも間違った糖質制限です。
なぜなら 生のフルーツのほとんどは、 GI値が55以下の「低GI食」です から、
食べても血糖値が急上昇することは少ないのです。
フルーツは、 糖化指数でも極めて低く、 突出すべき食材です。
また、 意外と低カロリーです。
この面を、 誰も言わないのは不思議な位です。
例えば、メロンはいかにも甘くて良くなさそうですが 100g43キロカロリ?
とい う低さ。
さらに言えば、 新鮮なフルーツの中に含まれる水分には、
酵素、 ビタミン、 ミネラル ファイトケミカルといった抗酸化栄養素が豊
富に含まれています。
つまり、 フルーツほど、 メリットだらけの食材は他にないのです。
フルーツのメリットを度外視してわずかな果糖を避けるのは無意味です。
素早く吸収するため 太りやすいもの!
①単純炭水化物ニブドウ糖(グルコース)果糖(フルクトース)、 ガラクトスなど
の1分子からなる「単糖類」、
そしてショ糖(スクロース)、 麦芽糖(マルト?ス)、
乳糖(ラクト?ス)などの2分子からなる「二糖類」を合わせたもの。
食べ物でいえば、 精製された砂糖、 乳製品、 一般
的なチョコレートやケーキなど
ゆっくり吸収するため 太りにくい
複合炭水化物
体内でゆっくりとおだやかに吸収され、
エネルギーとして使われなかった分はグリコ?ゲンとして貯蔵され、
筋肉の運動などに使われる。食べ物で挙げれ、
米・パン・うどん?そば・いも類・パスタな どで、
特に玄米や胚芽,米・ 全粒小麦といった精製されていない穀類は、
タンパク 質・ミネラル・食物繊維の含有量が多い
ため、 最もおすすめ。
糖質オフで期待できる 固健康?美容のメリット
普段の食事で①単純炭水化物の糖質制限を行うメリットは、
ダイエットの他にもさまざまにあります。
健康面では、 血糖値の上昇が抑えられるため、 高血圧や
糖尿病、 アルツハイマ?の予防などに役立ちます。
血糖値の上昇が原因で病気になるメカニズムについて説明しておきましょう。
_般に「高GI食」は、 食後1時間以内に血糖値が160mg/di以上に跳ね上かる
食品のことを指しています。
血糖値が急上昇すると、 体内では処理するために大量のインスリンを分泌します。 これを、
インスリンスパイク」と言います
インスリンスパイクが起きると、細 胞内にフドウ糖をしまい込むため、
血糖値 が急激に下がり過ぎ、 甘いものが欲しくなります。
すると、 また高GI食に手を伸 ばし食べ過ぎて、 血糖値が再びピュッと
上がる。
つまり、 血糖値を上げては下げての繰り返しで、 平均値がどんどん上昇
し、 終いには糖尿病などの病気につながっていきます。
低血糖になったらアド レナリン出現によって、異常な性格が出現してしまいます。
これを低血糖症候群と言います。
糖化とは、 食事から摂った糖質が、 体 内でタンパク質などと結びついて出現し
たタンパク質で極めて老化を促進させる悪い物質です。
この糖化物質を多く食すと体に入って活性酸素を呼び起こし老化のみならず、
あらゆる病気の大元になります。
甘いお菓子などの高GI値食や小麦粉でできたものや加工肉、
焼く、 揚げる、 炒めるといった調理は正に、 糖化を強く
促進させるため気をつけねばなりません。
その点、 糖化指数が極めて低い食物が
フル?ツ 生野菜サラダ、 雑穀、海藻入り
ご飯、 納豆、 味噌汁です。
これらを多く摂ることが若返りの秘訣と言えます
血液ドロドロが がんのリスクを増やす
さらに専門的な話をすると、
食品の糖化度を表す指標となる「AGE値」については、
数値を詳しく把握しておくべきです。
なぜなら、 AGE値の高い食品を 食べるほど、 病気への近道はないからです。
高AGE食を食べて血糖値が跳ね上がると、血液の浸透圧が高まって、
いわゆる「血液ドロドロ(ヘドロ化)」 の状態に なります。
私は医師という仕事上、 いつも患者さんの血液を見ていますが、
病気の人の血液 は、 赤血球同土がくっついたり、
金平糖状化したりしています。
一方で、 健康な人の血液は、
赤血球が バラバラの状態でサラサラと流れていきます。
ところが、 赤血球同士が糖化によってくっつくと、
赤血球が真毛細血管の中へ入っていけなくなり、
途端に血液の流れが悪化します。
なぜ、 赤血球が血管に入っていけなくなるかといえば、 真
毛細血管は元から赤血球より細いため通常は赤血球が単体で折りたたんで
入っていくものだからです。
真毛細血管とは、 最も細い毛細血管のことです。
みなさんのほとんどが、「血液は全身に
流れて当たり前」と思っていることでしょう。
ところが、 糖化物を食すと、 血液が全身の末端まで行き渡らなくなります。
すると、 組織が酵素不足さらに栄養不足の飢餓状態になります。
この現象があらゆる疲れや痛みを作り出し、
その組織は、活性酸素だらけとなりそうなった組織(臓
器)の病気につながります。
糖化食を食す↓血液はドロドロ(ヘドロ化) し
組織飢餓状態↓症状と病気」 につながるので、
糖化食や高GI食は極力気をつけて、 摂ら
ないようにしないとあらゆる病気や症状の問屋になってしまいます
糖尿病における 口間違った治療方法
いま、「糖尿病予備軍」の人々は、 日本に2千万人以上いると言われています。
大人だけでなく子どもの糖尿病が増えていることを見ると、まさに異常な状態と言えます。
糖尿病は「食源病」ですから、なによりも現代人の食習慣に問題があるのです。
さらに、 糖尿病を治す治療法も間違った方法が広まっています。
みなさんは、「MEC療法」 という方法をご存知でしょ うか。
MECとは、「Me at(肉)」、 「Egg(卵)」、「Chee se(チ?ズ)」 の略ですが、
糖質が少なく、 たんぱく質 が多く摂れかつケトン体が出るため、
糖尿病の治療や健康維持に用いられている のです。
ところが、「食品のAGE値」の表を見 ると一目瞭然ですが、
肉やチーズは桁違いにAGE値の高い食品です。
そんなものを食べて病気が完治するわけがありま
せんし、 健康になるはずがありません。
MECを食べるのは、 ケトン体を出すためという理由がありますが、
何も身体に悪いチーズを食べなくても、 断食をすれ ばケトン体を出せるのです。
また、 ハムやソーセージなどの加工肉に伴う発がんリスクにも目をつぶること
はできません。
私のクリニックにも、 MEC療法を試して、「突然がんが、 出現 した」「心臓が悪くなった」「眼が急に悪 くなった」とかいう患者さんが急増する
ようになりました。 MECの内容は、 腸の腐敗を強く起こすものばかりで、
病 気になるのは当然のことです。
病気治療とは、 ある箇所を治せば終わりではありません。
ではどうすれば良いのかと言え ば、 酵 素があり、
ファイバ?の強い生野 菜やフル?ツを中心に大豆、
発酵食品(納豆、 味噌‘ 小豆)や魚を多く摂ることで す。
病気を根治するためには、「断食」も有効ですが、
断食をしなくても次の考えで、 食生活を進めると健康に向うことは
間違いありません。
その考えは3つあり ます。
①口?フード(生食)
②プラントフード(植物食)
③ホールフード(全体 食)、
そして厳格なヴィーガンでなければ、それらに魚を適量入れることです。
ただ、 時々プチ断食も健康につながることは間違いありません。
ローフード(生食) 食物酵素を壊さな いように幻C以下で調理する食べ方。
@プラントフード(植物食) 植物性食品 全般。 @ホールフード(全体食) 一物全体で野 菜や穀類の皮も丸ごと頂く食べ方。
正しい食材選びと 調理方法
糖化を避けるためには、できるだけ糖 化したタンパク質(AGE)の多い食品 を避けて、
低G食を選ぶことが基本にな ります。AGE値と3値の数値について は表の通りですが、
AGE値の高い食材 の代表的なものを挙げると、
ベーコンや サラミなどの加工肉や揚げ物類、小麦粉 食品。一方で、
Q値の高い食材は、クッ キーやドーナツなどの甘味料を使用した 菓子類が主です。
そして高3食品は、高 糖化食でもあります。
同じ食材を使っても、調理法によって 生成されるAGEの量は変わります。
中 でも、「焼く、妙める、揚げる」という方 法で料理すると、他の調理法よりも AGEが多く生成されることが分かって います。
また逆を言えば、食材を蒸す、苑 でる、煮るなどして、生食を追加すれば、 AGEの生成を抑えることができます。
中華料理などで見られるように、砂糖 と醤油で濃く味つけした妙め物は、美味 しくても毎日食べるものではありません。
皮肉なことに、高AGE食の多くが、み なさんが「美味しい」と感じるものばかりなのです。
また、食材を120C以上の高温で調 理すると、アミノ酸と糖類が「アクリル アミド」に変性してしまうという問題も あります。
ポテトチップスに発がん性が あると言われるのは、このアクリルアミ ドの発生が原因です。
煮込み調理に便利 な圧力鍋など、調理時に食材が120C 以上になる製品の使用を避けるベきで しよう。
ナチュラルな甘味料で 楽しい糖質オフ生活を
白砂糖を使ったお菓子の多くは高3食 ですが、全ての甘味料が身体に悪いかと 言えば、そうではありません。
甘いもの を我慢するのはストレスになりますから、 私も患者さんがすでに病気を発症してい ない限りは、「甘いものを一切止めなさ い」とは言いません。
多くの甘味料は、身体に取り入れると すぐに吸収されて、血糖値を上昇させま すが、
低3値でゆるやかに血糖が上がる タイプのものであれば、お菓子づくりや 料理に使っても問題はありません。
低3食の甘味料として代表的なものは、 ココナッツシュガーやアガベパウダー(ア ガベシロップ)があります。
あとは、中 国産のウリ科の植物「羅漢果」がありま すが、他の甘味料と混ぜた製品もありま すので、
食品表示をよく見て買うように しましょう。基本的には人工甘味料でな い天然100%のものがよいでしょう
また、天然甘味料の中で3値が最も低い アガベは、糖の吸収を遅らせるだけでは なく、
水溶性食物繊維を豊富に含んでい るというメリットがあります。用途に合 わせて、使いやすいものを選びましょう。
徹底するなら たわりを
冒頭でお伝えしたように、糖質制限を 行っていても、主食の「ごはん」は食べ て構いません。
ただし、抗糖化のために は、お米に「プラスg」で別の食材を加 えてあげるといいでしょう。
私がみなさ んにお薦めしているのは、十穀米などの 雑穀、ひじきや昆布、粉寒天などの海藻 類、梅干しを白米に混ぜて炊く方法です。
水溶性食物繊維を補うためには、干し椎 葺や棒寒天、粉寒天、ゴボウのささがき を加えてもいいでしょう。
白米よりは玄米の方が高い栄養価があ りますが、
玄米には、「アプンジン酸」と いう酵素阻害剤と、「フィチン酸」という 体内のミネラルを吸着して排出してしま う成分が含まれています。
そのため、毎 日玄米を食べているとミネラル不足を招 きますので、安全に食べるには少し工夫 が必要です。
理想の玄米を炊くには、こ の欠点を解除し、次のやり方で行ってください。
理想の玄米の敷き方
たっぷりの水にD時間以上は浸水する。 その段階で発芽する毒が出るため、1度 水を捨てる。
そこに水を加え、海藻類(特 に粉寒天や干しひじき)や乳酸菌、ごぼ うのささがき、
梅干しを入れ、B時間置 き、今度は水を捨てずに普通の炊飯 ジャーで炊く。これが理想の玄米の炊き
方です。
おかずには、、生野菜のサラダ、 発酵食品の漬け物やキムチ、納豆などを 付け合わせにするといいでしょう。
糖質制限を賢く行うためには、食事メ ニューだけではなく、食事の食べ方にも 注意が必要です。最も悪いのは早食いです。
急いで食べると、血糖が上昇して高 血糖の元となり、あらゆる悪いことが起 こるので、
普段からよく噛んでゆっくり と食べるように心がけましょう。 また、間食ばかりで、だらだらと食ベ 続けていると、
血糖値が常々急上昇する ので、大変恐ろしいことになります。
そ れ故、「昼から夕方までは何も食べない」 と、メリハリをつけることも大切です。
人 の身体は食べれば食べるほど糖化して酸 化も進みますから、食事量は、「1日1~ 2食」がベストです。